日本大使館前で抗議行動公安は放置

 【北京・上村幸治】尖閣諸島の領有権を主張する中国人活動家は25日、北京の日本大使館前で日の丸を燃やしたり、靴で踏みつけるなど激しい抗議行動を行った。日本側の申し入れにもかかわらず、北京の公安当局はこうした過激な行動を放置している。

 日本大使館は同日午前に活動家が日本国旗を燃やしたことを受け、直ちに中国外務省に「遺憾」を表明し、再発防止を申し入れた。中国側は「関係部門に通報し、しかるべき対応をするよう求める」と回答したという。

 しかし、午後2時過ぎ、活動家と支援者約50人が再び大使館前に集まり、数枚の日の丸を燃やしたり、足で踏みつけたり、けったりした。大使館員に抗議書を手渡す一方、拡声器で「日本軍国主義打倒」などと叫んだ。

 大使館前には警官や武装警察が100人以上、大型バスなどで動員され、大使館前の道路を封鎖した。しかし、活動家らの行動には干渉せず、黙認した。

 中国では前日から、インターネット上で日本を非難する意見が飛び交っており、反日感情が高まっている。指導部内でも、対日強硬論が浮上している可能性がある。


[毎日新聞3月25日] ( 2004-03-25-23:04


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